伝わる文章の技術

【ストーリーテリング書き方講座】つまらない日常が心を動かす物語に変わる10の法則

「自分の話、なんだか相手に響いてない気がする…」

「ロジカルに説明してるはずなのに、『記憶に残らない』って言われる…」

もしあなたがそんな風に感じているなら、それ、あなたの話がツマらないんじゃなくて、原因は「伝え方」にあるだけかもしれませんよ。

実は、人の心を動かして、記憶に深く刻み込まれる話には、ある共通の「型」があるんです。

それが「ストーリーテリング。」

この記事では、プレゼンや自己紹介、セールスみたいなビジネスシーンはもちろん、普段のコミュニケーションでも使える

「ストーリーテリングの技術」

を、誰でもすぐに理解し、かつ、すぐに使えるように、穴埋め式のワークシートも交えながら徹底的に解説していきます!

この記事を読めば、こんな未来が手に入ります!

✅なぜデータや事実だけじゃ人の心が動かないのか、そのカラクリが分かる

 

✅「自分には特別な経験なんてないよ…」って人でも、物語の「タネ」を見つける方法が分かる

 

✅初心者でも即マネできる、心を動かす物語の「3つの型」が分かる


✅あなたのありふれた日常が、人を惹きつける自己紹介やプレゼンに化ける具体的な手順が分かる

この記事で紹介する「ストーリーテリングの書き方」を実践すれば、あなたの言葉は見違えるほど相手に届くようになります。

ぜひ、最後まで読んで、あなたの想いを物語に変える魔法を手に入れてください!

筆者プロフィール

名前:kane

活動:無料ブログ専門のWEBライター。

「伝わる表現の伴走者」として、Amebaブログ・noteやメルマガで個人の”表現したい”気持ちをサポート。

これまで様々なジャンルのブログ記事を、200件以上の記事を添削・アドバイス。

想い: 元々は”他人に言葉を伝える”という行為が苦手”で、自分の「好き」が伝わらない失敗も多々経験。

その経験から、「センス」ではなく「技術」で表現力を高める方法を発信中。

・Ameba:https://ameblo.jp/kanegtr/

・note:https://note.com/happy_stoat3709

Contents
  1. 1.【ストーリーテリング書き方】「正しいけど、響かない…」データという鎧を脱ぎ捨てたいあなたへ
  2. 2.なぜ、あなたの話は記憶に残らないのか?ストーリーテリングが最強の武器になる3つの理由
  3. 3.【準備編】物語は探すな、見つけ出せ!あなたの日常に眠る5つの原石
  4. 4.【実践編】初心者でもすぐ使える!ストーリーテリング鉄板の構成フレームワーク3選
  5. 5.【表現力UP】読者の五感を刺激する!情景が目に浮かぶ文章術
  6. 6.【穴埋め式】自分だけの最強の物語を作ってみよう
  7. 7.【応用編】ストーリーテリングを明日から仕事で使うための具体的なアクションプラン
  8. 8.ストーリーテリングを使う上での3つの注意点
  9. 【ストーリーテリング書き方まとめ】物語の力で、あなたの言葉に魂を。
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  11. 【プレゼントコーナー】

1.【ストーリーテリング書き方】「正しいけど、響かない…」データという鎧を脱ぎ捨てたいあなたへ

「この商品の性能は従来比150%向上!顧客満足度は92.8%!導入企業は500社を突破し…」

あなたも今、プレゼンや商談の場で、こういう「正しい情報」を一生懸命に伝えてません?

ロジカルで、間違いのない、完璧な説明。

でも、聞いてる相手の反応はどうでしょう。

うなずいてはくれるけど、目は死んでる。資料に目を落としたまま、心ここにあらず…みたいな。


その感覚、痛いほど分かります。

なぜなら、かつてのボクがまさにソレだったから(笑)。

「もう、早く終わってくれ!」

って雰囲気バリバリだったし…( ノД`)シクシク…

正しい情報を、正しい言葉で、誰よりも分かりやすく!

って頑張れば頑張るほど、相手の心がスーッと離れていく…。

そんなジレンマにどっぷりハマってました。

ボクらはビジネスの世界で「ロジカルであれ」「データで語れ」って、耳にタコができるほど教え込まれます。

それ、決して間違いじゃない。

でも、それだけじゃ人の心は動かないんですよ。

なぜなら、人って理屈(ロジック)だけじゃ納得しない生き物だから。

この記事を読んでるあなたは、きっと薄々気づいてるはずです。

「正しいだけじゃ、ダメなんだ」

って。

そして、自分の言葉に「心」を乗っけて、相手に届けたい!って強く願ってるんじゃないでしょうか。

安心してください。

あなたに必要なのは、特別な才能や、波乱万丈な人生経験じゃありません。

ほんのちょっとの「技術」です。

その技術こそがストーリーテリング。

次の章からの記事を最後まで読めば、あなたのありふれた日常の体験が、人の心を惹きつけ、動かすための最強の武器に変わることをお約束します。

さあ、一緒にデータという重い鎧を脱ぎ捨てて、物語の旅に出かけましょう!

2.なぜ、あなたの話は記憶に残らないのか?ストーリーテリングが最強の武器になる3つの理由

そもそも、なぜストーリーテリング、つまり「物語」の力が必要なんでしょうか。

単なるデータや事実を並べただけの話と、物語仕立ての話じゃ、相手に与える影響に天と地ほどの差が生まれます。

その理由は、ボクらの「脳」の仕組みに隠されてました。

理由1:脳は「物語」が大好きだから【脳科学】

実は、ボクらの脳みそって、退屈な情報の羅列を覚えるのがめちゃくちゃ苦手。

一方で、物語を聞いてるときは、脳がまるで

自分がその物語を体験してるかのように活性化するんです。

例えば、

「糖度15度の甘いリンゴです」

って聞いても、「へぇ、そうなんだ(で?)」で終わっちゃいますよね。

でも、

「子供の頃、ばあちゃんが台風の日に『落ちる前にもいでこよう!』

って言って、もぎたてを食べさせてくれたリンゴ。

少し傷はあったけど、かじった瞬間に口いっぱいに広がった、あの蜜の甘さ。そんな思い出の味を再現したんすよ」

…なんて言われたらどうです?

情景が目に浮かんで、なんだか自分までそのリンゴをかじったような気分になりません?

これが物語の力。

物語は、聞き手の脳の中にある「感情」「感覚」「記憶」みたいなスイッチを、一斉にONにするんです。

だから、単なるデータより圧倒的に記憶に残りやすい。

これを「事実の知識」じゃなく「体験の記憶」として脳に刻み込む、ってわけです。

理由2:難しい話を「自分ごと化」できるから

専門的な話や、複雑なデータも、物語にすることで一気に身近になります。

例えば、新しい会計ソフトのプレゼンを想像してください。

「このソフトはAPI連携が可能で、SaaS型のクラウドシステムです。これにより業務効率が30%改善されます」

…って言われても、経理担当者以外は「???」って感じですよね。

でも、こう伝えたらどうでしょう。

「経理部の佐藤さん、毎月末、大量の請求書処理に追われて3日連続の残業が当たり前でした。

小さい娘さんから『パパ、いつ遊んでくれるの?』って言われるたびに、胸が張り裂けそうだったそうです。

でも、このソフトを導入した先月、佐藤さんは初めて月末に残業せず、定時ダッシュに成功!『パパ、おかえり!』って笑顔で駆け寄る娘さんを、初めて明るいうちに抱きしめられたそうなんです。

このソフトは、ただの業務効率化ツールじゃありません。

社員とその家族の大切な時間を取り戻すためのツールなんです」

どうです?

難しい機能の話が、一人の社員の「物語」になることで、聞き手は

「これ、ウチの会社の問題でもあるな」

「導入したら未来が変わるかも」

って、自分ごととして捉えやすくなるんです。

理由3:「共感」が人と人との信頼を繋ぐから

最終的に、ビジネスって人と人との信頼関係で成り立ってます。

そして、その信頼関係を一番強く結びつけるのが

「共感」

商品のスペックを完璧に説明できる営業マンより、自分の失敗談や、商品開発に込めた想いを正直に語ってくれる営業マンから「買いたい」って思った経験、ありませんか?

ボクらは、完璧な超人よりも、

弱さや失敗を乗り越えてきた人に人間的な魅力を感じて、共感するんです。

ストーリーテリングは、あなたの想いや価値観、人柄を相手に伝えて、深い共感を生み出します。

「この人も自分と同じことで悩んでたんだ」

「こんな想いでこの仕事をしてるなんて、信頼できる人だ」

こういう共感が、「この人から買いたい」「この人と一緒に仕事がしたい」っていう強い信頼関係に繋がるんです。

📌 データは「頭」を説明しますが、物語は「心」を説得し、信頼を勝ち取れる唯一無二の武器なのです。

3.【準備編】物語は探すな、見つけ出せ!あなたの日常に眠る5つの原石

「そうは言っても、自分に語れるような面白い話なんて何もないっすよ…」

ストーリーテリングの話をすると、必ず聞こえてくるのがこの悩み。

多くの人が、「物語」って言葉を聞いて、映画や小説みたいなドラマチックな展開を想像しちゃって、「オレの平凡な人生じゃ無理だ…」って諦めちゃうんです。

でも、それ、

とんでもない勘違いです。

非凡な体験なんて、一切必要ありません。

心を動かす物語のタネは、あなたの日常の中に必ず眠ってます。

それは、派手な成功体験じゃなく、むしろ些細な出来事や、心に引っかかってる小さなトゲみたいな記憶だったりします。

ここでは、あなたの日常に眠る物語の「原石」を見つけ出すための5つのヒントを紹介します。

物語は探すもんじゃない。あなたの記憶の引き出しをそっと開けて、

「見つけ出す」

ものなんです。

原石1:共感を生む最高のスパイス「失敗談」

完璧なヒーローの話より、何度も失敗しながらも立ち上がる主人公に、ボクらは勇気をもらいますよね。

ビジネスの世界でも同じ。

あなたの

「失敗談」

こそ、聞き手の共感を一番強く引き出す最高のスパイスになります。

新人時代の大失敗: プレゼンで頭が真っ白になった、お客様をガチギレさせてしまった、単純ミスで大問題に…とか。

うまくいかなかったプロジェクト: 鳴り物入りで始めたのに、全く成果が出なかったプロジェクトの話。

プライベートでの情けない話: 寝坊して大遅刻した、挑戦したけど三日坊主で終わった…とか。

ポイントは、

「その失敗から何を学び、どう乗り越えたか」

をセットで語ること。

失敗を正直に話せる人は、誠実で信頼できるって印象を与えます。

「この人も自分と同じように失敗するんだ」

っていう親近感が、聞き手との心の距離をぐっと縮めてくれますよ。

原石2:あなたの情熱の源泉「原体験」

あなたが今の仕事をしてる理由、その商品やサービスに情熱を注いでる理由って何です?

その答えは、

過去の「原体験」

にあるはず。

なぜこの仕事を選んだのか?: 子供の頃の夢、学生時代の経験、誰かの一言がきっかけだった、とか。

仕事で「これだ!」と確信した瞬間: お客様からの「ありがとう」、自分の仕事が誰かの役に立ったと実感した瞬間。

悔しかった経験: お客様の悩みを解決できなかった悔しさ、自分の無力さを痛感した経験が、「今度こそ!」っていう情熱の源になってることもあります。

あなたの個人的な体験と仕事への想いが結びついたとき、それは単なる商品説明じゃなく、聞き手の心を揺さぶる「使命の物語」に変わります。

原石3:物語に深みを与える「他者との関わり」

物語って、自分一人だけじゃ生まれません。

登場人物が増えることで、物語には深みとリアリティが生まれます。

あなたの周りにいる「誰か」とのエピソードを思い出してみましょう。

お客様とのエピソード: 忘れられないお客様の言葉、一緒に問題を乗り越えた経験、クレームから信頼関係が生まれた話。

上司や同僚とのエピソード: 厳しいけど愛のある指導をしてくれた上司の話、チームで困難を乗り越えた話、助けられた経験。

家族や友人とのエピソード: 自分の仕事を応援してくれる家族の言葉、友人との会話から得た仕事のヒントなど。

具体的な人物が登場して、会話や行動が描写されると、聞き手は物語の世界に没入しやすくなります。

「ウチの会社の〇〇さんみたいだな」

って、身近な人物を重ね合わせてくれるかもしれません。

原石4:読者の希望の光となる「小さな成功体験」

デカい成功である必要は全くありません。

むしろ、

誰にでも起こりうる「小さな成功体験」

の方が、聞き手にとっては「自分にもできるかも」っていう希望になります。

✅昨日より今日、成長できたこと: 苦手だった電話応対が少しスムーズにできた、初めて一人で契約が取れた。

✅誰かをちょっとだけ幸せにできたこと: 同僚の仕事を手伝って感謝された、お客様の小さな悩みに気づいて解決策を提案できた。

✅工夫してうまくいったこと: 資料の作り方を少し変えたら「分かりやすい」と褒められた、非効率な作業を改善するアイデアを思いついた。

これらの小さな成功は、

「Before(できなかった自分)」

「After(できるようになった自分)」

の対比を明確に描きやすいのが特徴です。

その変化のプロセスこそが、人を惹きつける物語になります。

原石5:未来を描き、人を巻き込む「決意」

過去の体験だけじゃなく、未来に向けた「決意」もまた、力強い物語の原石です。

あなたの

「こうなりたい」

「これを成し遂げたい」

っていう強い想いは、聞き手の心を動かし、応援したい!って気持ちにさせます。

✅仕事を通じて実現したいビジョン: 「この商品を通じて、〇〇で困っている人たちの生活をもっと豊かにしたい」

✅困難に立ち向かう覚悟: 「今はまだうまくいってないことも多いですが、必ずこのプロジェクトを成功させて、チームのみんなと笑い合いたいです」

✅個人的な目標: 「お客様に最高のサービスを提供するために、〇〇の資格取得に挑戦します」

あなたの「決意」を語ることは、聞き手をあなたの物語の

「共犯者」にすること。

「この人の夢を一緒に応援したい」

「この船に乗りたい」

って思わせることができれば、プレゼンや商談の成功率は劇的に高まるでしょう。

さあ、どうでしょう。

この5つの視点であなたの経験を振り返ってみてください。

きっと「あ、これなら話せるかも」っていう原石が、一つや二つは見つかったはずです。

次の章では、いよいよこれらの原石を磨き上げ、人の心を動かす物語に組み立てるための「設計図」をご紹介します。

4.【実践編】初心者でもすぐ使える!ストーリーテリング鉄板の構成フレームワーク3選

物語の「原石」が見つかったら、次はその原石を磨いて、誰もが魅了されるアクセサリーに仕上げる工程に入ります。

つまり、見つけたエピソードを、聞き手の心にズドンと響く順番で組み立てる作業ですね。

難しく考える必要はありません。

映画や小説の世界には、古くから伝わる

「人の心を動かす物語の型」

が存在します。

ここでは、その中でも特にビジネスで応用しやすくて、初心者でもすぐに使える鉄板フレームワークを3つ、具体的な使い方と合わせてご紹介します!

①最強のテンプレート「ヒーローズ・ジャーニー」を自己紹介に使う方法

まず紹介するのが、最強のテンプレート

「ヒーローズ・ジャーニー!」

これ、神話学者のジョセフ・キャンベルって人が見つけた

「世界中の神話や物語に共通する、人の心を鷲掴みにするストーリー構造」

のこと。

スター・ウォーズとかハリー・ポッターみたいな名作は、だいたいこの構造で作られてるんすよ。

ビジネスで言えば、Appleのスティーブ・ジョブズが行った伝説のスピーチも、まさにこの構造の好例です。

といっても、難しい理論を覚える必要はナシ。

要は

「平凡な主人公が、困難を乗り越えて成長し、宝物を手に入れて帰ってくる物語」

です。

これを自己紹介に応用すると、あなたの魅力が爆上がりします。

【ヒーロー・ジャーニーを使った自己紹介の構成】

①日常の世界(Before)

内容: 平凡で、時には何か不満や課題を抱えていた過去の自分を語る。

例: 「ボクはもともと、人前で話すのが大の苦手な、ごく普通の営業マンでした。

毎回のプレゼンでは声が震え、伝えたいことの半分も伝えられずにヘコむ毎日を送ってました。

②冒険への誘い・試練の始まり

内容: 何かを始めなきゃいけない「きっかけ」や、直面した「デカい壁」について語る。

例: 「そんなある日、会社の命運を賭けたデカいコンペの担当者に、ボクが指名されちまったんです。

正直、逃げ出したくて仕方なかったっすね。

③メンターとの出会い・試練の克服

内容:
助けてくれた人(上司、本、セミナーなど)との出会いや、壁を乗り越えるためにやった努力を具体的に語る。

例: 「途方に暮れてたボクに、上司の田中さんが『お前ならできる。まずは“誰に何を伝えたいか”だけ考えろ』と、一冊の本を渡してくれました。

ボクはその本をボロボロになるまで読み込んで、毎晩リビングを会議室に見立てて、嫁さんの前で何度も何度もプレゼンの練習を繰り返しました。

④宝物を手に入れる(After)

内容: 試練を乗り越えた結果、何を得たのか(スキル、自信、成果など)を語る。

例: 「そして迎えたコンペ当日。不思議と声の震えはありませんでした。

練習を重ねた言葉は、ボクの『想い』となって、お客様の心にまっすぐ届いたんです。

結果、ボクらは見事にコンペに勝利できました!」

⑤帰還と貢献

内容: その経験を通じて得たものを、今度は周りの人のためにどう活かしていきたいか、未来に繋げて語る。

例: 「あの経験を通じて、ボクは『想いを伝える力』が人生を変えることを学びました。

今では、かつてのボクと同じように人前で話すことに悩んでる後輩たちに、その経験を伝えることがボクの新しい役割だと感じています。

本日は、その経験から得た知見を、少しでも皆さまにお届けできれば幸いです。」

どうです?

単に「プレゼンが得意です」って言うより、人間味あふれるあなたの姿が生き生きと伝わりませんか?

聞き手はあなたの苦労と成長の物語に共感して、「この人の話をもっと聞きたい」って思ってくれるはずです。

②シンプルで万能「三幕構成」でプレゼンを組み立てる

次は、シンプルなのに超万能な「三幕構成」!

これ、大昔の哲学者アリストテレスが見つけた、マジで応用範囲が広すぎるストーリー構造。

その名の通り、物語を

「①設定(始まり)」
「②対立(中盤)」
「③解決(結末)」

の3つのパートに分けて構成します。

短いプレゼンやスピーチなど、ぶっちゃけ、どんな話にも使える万能フレームワークです。

【三幕構成を使ったプレゼンの組み立て方】


第一幕:設定(状況設定と課題の提示)

目的: 聞き手の注意をガシッと掴んで、これから話すテーマの「現状」と「課題」を共有する。

フレーズ例

「皆さんの部署では今、〇〇という問題が起きてません?」

「ボクらの業界は今、大きな変革の波にさらされてます。具体的には…」

「これ、先日あるお客様から聞いた話なんですが…」

ポイント: ここで聞き手に

「そうそう、それが問題なんだよ」

「これ他人事じゃないな」

って思わせることが超重要!

第二幕:対立(課題の原因と、それを乗り越える困難)

目的: 課題がなぜ解決できないのか、その根深い原因や障害を明らかにして、物語を盛り上げる。

フレーズ例

「なぜこの問題が解決しないのか。実は、そこには3つのデカい壁が存在します。」

「これまでも色んな対策が打たれてきましたが、ことごとく失敗…。その理由は…」

「このまま放置すれば、5年後、ウチの会社はヤバいことになるかもしれません。」

ポイント: 問題の深刻さや、解決の難しさを具体的に示すことで、聞き手の

「どうすりゃいいんだよ!?」

って気持ちを高めます。

クライマックスに向けた「タメ」を作る部分ですね。

第三幕:解決(解決策の提示と、その先にある未来)

目的: 第二幕で提示した困難を乗り越えるための「解決策」を鮮やかに提示して、聞き手に行動を促す。

フレーズ例

「しかし、ご安心ください。この困難な状況をブチ破る、たった一つの方法があります。それが、本日ご提案する〇〇です!」

「この〇〇を導入することで、さっき言った3つの壁はすべてクリアできます。具体的に説明しますね。」

「想像してみてください。この課題が解決された1年後、皆さんのチームは…(明るい未来を描写する)」

ポイント: ここで初めて、あなたの主張(商品やサービス)が登場します。

聞き手はすでに課題を深く認識してるんで、あなたの提案が「希望の光」みたいに見えて、すんなり受け入れられるんです。

この三幕構成は、聞き手の思考の流れに沿ってるんで、めちゃくちゃ理解しやすくて、説得力のあるプレゼンを組み立てられますよ。

③読者の行動を促す「PASONAの法則」でセールスレターを書く

PASONA(パソナ)の法則」

は、日本のトップマーケター神田昌典さんが提唱した、読者の「欲しい!」
をかき立てることに特化した文章構成のフレームワークです。

特に、Webサイトのセールスページとか、メルマガ、広告文みたいに、文章で「行動」させたい場合に絶大な効果を発揮します。

【PASONAの法則の構成】


P = Problem(問題)

内容: 読者が抱えてる悩みや問題を、具体的かつ鮮明にえぐり出す。

例: 「毎朝、鏡を見るたびに深くなるほうれい線に、ため息ついてません?ファンデで隠そうとしても、余計にシワが目立っちゃう…」

A = Affinity(親近感・共感)

内容: 「ボクも同じでした」と、問題に寄り添い、共感を示す。

物語や失敗談を語って、読者との心の壁をぶっ壊す。

例: 「何を隠そう、開発者のボク自身が、30代後半から急に老け込んだ自分の顔に絶望してました。

高い化粧品を試しては、効果がなくて落ち込む毎日だったんです。」

So = Solution(解決策)

内容: 問題を解決できる具体的な方法と、その証拠(実績、お客様の声、専門家の推薦など)を叩きつける。

例: 「そんなボクが、皮膚科学の専門家〇〇博士と出会い、5年の歳月をかけて共同開発したのが、この美容液『ミラクル・ドロップ』です。

すでにモニターの97%が『2週間で効果を実感した』と回答してます!」

N = Narrow down(絞り込み)

内容: 「あなただけに」と、ターゲットを絞り込み、限定性や希少性をアピールして、行動する価値を高める。

例: 「ただし、この美容液は希少な天然成分を使ってるんで、毎月100名様限定でしかお届けできません。

本気で年齢肌に悩む方だけに、この感動を届けたいんです。」

A = Action(行動)

内容: 読者に今すぐやってほしい行動を、具体的かつ分かりやすく伝える。

例: 「今なら、初回限定で50%OFFの2,980円でお試しいただけます。

下の『今すぐ申し込む』ボタンをポチって、10歳若返った未来のあなたに出会ってください!」

PASONAの法則は、読者の心理的な変化(問題認識 → 共感 → 解決策への期待 → 限定性による焦り → 行動)を巧みに誘導するように設計されてます。

この型に沿って書くだけで、あなたの文章の説得力は飛躍的に高まるでしょう。

5.【表現力UP】読者の五感を刺激する!情景が目に浮かぶ文章術

物語の骨格(フレームワーク)ができたら、次はそこに血肉を通わせて、読者が思わず物語の世界に引き込まれちゃうような「表現力」を加えていきましょう。

ポイントは、読者の五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)に訴えかけること。情景が目に浮かんで、音が聞こえて、香りがしてくるような文章は、読者の記憶に深く刻み込まれます。

表現テクニック1:比喩(たとえ話)でイメージを鮮やかにする

難しいことや、目に見えない感情を、誰もが知ってる身近なものに「たとえる」ことで、一瞬でイメージを共有できます。

  • Before: 彼はとても怒っていた。
  • After: 彼は、まるでマグマのように煮えくり返る怒りを抱えていた。
  • Before: 会議室は静まり返っていた。
  • After: 会議室は、まるで深海のようにシンと静まり返っていた
  • Before: 彼女のアイデアは素晴らしかった。
  • After: 彼女のアイデアは、暗闇を照らす一筋の稲妻のように、ボクらの心を貫いた。

比喩を使うと、文章にリズムと彩りが生まれますよ。

表現テクニック2:擬人法でモノに命を吹き込む

人間以外のモノを、まるで人間であるかのように表現するテクニック。

  • Before: 古い椅子が置いてあった。
  • After: 古い椅子が、長年の重みに耐えかねたようにギシッと悲鳴を上げた
  • Before: パソコンの動作が遅かった。
  • After: パソコンは、定年退職間近のベテラン社員のように、ゆっくりと、ため息をつきながら仕事を進めていた。

無機質なモノにも感情や意思があるように描くことで、文章が生き生きと動き出します。

表現テクニック3:「五感を刺激する言葉」を散りばめる

あなたの伝えたいシーンを頭の中で映像として思い浮かべて、そこにある

「色・音・匂い・味・感触」

を言葉にしてみましょう。

【お題:あなたが今朝飲んだコーヒーについて描写してください】

「今朝、コーヒーを飲みました。美味しかったです。」
朝の冷たい空気が残るキッチンで、豆を挽くゴリゴリという小気味よい音が響く。(聴覚)

お湯を注ぐと、チョコレートのような甘く香ばしい香りが立ち上り、部屋中に広がった。(嗅覚)

一口飲むと、舌の上でとろけるような深いコクと、キレのある苦味が眠たい頭をシャキッとさせてくれる。(味覚)

陶器のマグカップのひんやりとした感触が、指先に心地よかった。(触覚)

窓から差し込む朝日に照らされたコーヒーは、キラキラと黒く輝いていた。(視覚)」

 どうです?

後者の方が、コーヒーを飲んだ時の満足感や、その場の心地よい雰囲気がリアルに伝わってきませんか?

具体的な描写を加えるだけで、読者はあなたの体験を「追体験」できるんです。

これらの比喩表現が爆発的に上達するコツを、下記の記事で詳しく解説しています⇩。

6.【穴埋め式】自分だけの最強の物語を作ってみよう

さて、ここまで学んだことを総動員して、あなただけの物語を実際に作ってみましょう。

以下のワークシートの( )に言葉を埋めていくだけで、ヒーローズ・ジャーニーに基づいた自己紹介ストーリーの骨子が完成します。

難しく考えず、まずは思いつくままに書き出してみてください。

これが、あなたの物語の第一歩です!

【穴埋め式】ヒーローズ・ジャーニー自己紹介ワークシート

ステップ1:日常の世界(Before) – 昔のオレはこうでした

かつてのボクは、( 例:人前で話すのが苦手で、いつも自信がなさそう )な人間でした。

特に、( 例:新しい企画のプレゼン )の場面では、いつも( 例:声が震えてしまい、言いたいことの半分も言えずに )いました。

そのせいで、心の中では「( 例:どうせ自分なんて、誰にも評価されないんだ )」と、いつもイジイジしてました。

ステップ2:試練の始まり – そんなオレに転機が訪れます

そんなある日、ボクに( 例:部署の存続がかかった、重要なコンペの担当者になる )というデカい試練が訪れました。

正直なところ、「( 例:絶対に無理だ、誰か他の人に代わってほしい )」とマジで思いました。

ステップ3:試練の克服 – 壁を乗り越えるために…

追い詰められたボクが助けを求めたのは、( 例:鬼上司として恐れられていた田中部長 )でした。

その人から、「( 例:うまいこと言おうとすんな。お前の言葉で、想いを伝えろ )」という言葉をかけてもらい、ハッとさせられました。

そこからボクは、( 例:毎日、鏡の前で1時間以上プレゼンの練習をする )という努力を始めました。

ステップ4:宝物を手に入れる(After) – そして、オレは変わりました

その結果、ボクは( 例:コンペ本番で、堂々と自分の想いを語りきり、見事契約を勝ち取る )という成果を手にすることができました。

何よりも嬉しかったのは、( 例:お客様から『君の熱意に心を動かされたよ』と言ってもらえた )ことです。

この経験を通じて、ボクは「( 例:自信は結果の後についてくるんじゃなく、準備の量に比例するんだ )」ということを学びました。

ステップ5:未来への貢献 – この経験を、今度はあなたのために

今では、この経験で得た( 例:想いを伝える力 )を活かして、( 例:かつてのボクのように、プレゼンに悩む後輩のサポートをすること )に情熱を注いでいます。

ボクの目標は、「( 例:誰もが自分の想いを言葉にし、自信を持って活躍できる社会を作ること )」です。

どうでした?

たったこれだけでも、あなたの経験が一本の線で繋がって、力強いメッセージを持つ物語になったはずです。

この骨子に、さっき学んだ「五感を刺激する表現」を加えて肉付けしていけば、さらに感動的なストーリーが完成しますよ。

7.【応用編】ストーリーテリングを明日から仕事で使うための具体的なアクションプラン


理論と作り方が分かったところで、最後に、明日からあなたの仕事の様々なシーンで使うための具体的なアクションプランをご紹介します。

自己紹介・朝礼の「1分間スピーチ」で使ってみる

いきなり長時間のプレゼンで使うのはハードルが高いかも。

まずは、自己紹介や朝礼での短いスピーチなど、1分程度で話せる場面で試してみましょう。

テーマ例: 「最近ハマっていること」「週末の出来事」「仕事で学んだこと」

構成:

✅結論: 「ボクが最近学んだのは〇〇ということです」

✅具体的なエピソード(物語): 「というのも、先日…(小さな失敗談や成功体験を語る)」

✅締め: 「この経験から、〇〇が大切だと改めて感じました。今日も一日頑張りましょう!」

プレゼン資料の「冒頭(つかみ)」に物語をぶち込む

プレゼンの冒頭5分は、聞き手の心を掴めるかを決める超重要な時間。

いきなりデータやグラフを見せるんじゃなく、物語から始めてみましょう。

挿入する物語:

このプロジェクトが始まるきっかけとなった「お客様との会話」

開発段階での「チームの苦労話・失敗談」

この商品やサービスが解決する

「未来のお客様の物語(Before/After)」

「本日は、ある一人の顧客、佐藤さんの物語から始めさせてください…」

この一言で、聞き手はスクリーンからあなたに顔を向けるはずです。

商談・セールスで「お客様の事例」を物語として語る

商品の機能やメリットを説明するだけじゃなく、

「この商品を使ったお客様が、どう変わったのか」

を物語として語りましょう。

ポイント:

✅固有名詞を入れる: 「ある企業」じゃなく「〇〇株式会社の経理部、田中様」みたいに具体的に。

✅感情を描写する: 「導入前は『本当に効果があるのか』と半信半疑でいらっしゃいました」

Before/Afterを明確に: 「しかし導入後、月末の残業がゼロになり、『家族と夕食を食べる時間が増えた』と、本当に嬉しそうに話してくださったんです」

未来の成功イメージを、聞き手自身の姿と重ね合わせてもらうのが目的です。

部下や後輩の指導(マネジメント)に自分の「失敗談」を活かす

部下がミスして落ち込んでる時、ただ「次から気をつけて」と正論を言うだけじゃ心に響きません。

そんな時こそ、あなたの「失敗談」の出番です。

①伝え方

「気持ちはよく分かるよ。実はオレも、新人時代にお前と同じミスをして、お客様にめちゃくちゃ怒られたことがあるんだ」

「その時、本当に落ち込んだけど、〇〇ということを学んだおかげで乗り越えられた」

「だからお前も大丈夫だ。この失敗は、次にもっとデカい成功をするための最高のチャンスだよ」

あなたの弱さを見せることで、部下は心を開き、あなたへの信頼を深めるでしょう。

SNSの投稿や動画シナリオで活用する

ストーリーテリングは、InstagramやX(旧Twitter)みたいなSNSの短い文章や、YouTubeなどの動画シナリオでも絶大な効果を発揮します。

活字離れが進む現代で、ショート動画なんかで物語を伝えるスキルはますます重要になってます。

例えば、商品開発の裏側にある失敗談を数回の投稿に分けて発信する、お客様の成功事例をインタビュー形式のショート動画で紹介するなど、活用方法は無限大です。

あなたの想いや商品の魅力を、物語に乗せて発信してみましょう。

8.ストーリーテリングを使う上での3つの注意点

最後に、強力な武器であるストーリーテリングを使う上で、絶対に守ってほしい注意点を3つお伝えします。

使い方を間違えると、信頼を失う「諸刃の剣」にもなりかねませんからね。

注意点1:嘘はつかない、話を「盛らない」

物語を面白くしようとするあまり、事実を捻じ曲げたり、経験を過剰に演出したりするのは絶対にやめましょう。

小さな嘘でも、一度バレたらあなたの信頼は地に落ちます。

ストーリーテリングは、事実をより魅力的に「伝える」技術であって、事実を「作る」技術じゃないんです。

誠実さ、マジ大事。

注意点2:「自慢話」にしない

特に成功体験を語る時は要注意。

語り方を一歩間違えると、ただの「自慢話」に聞こえて、聞き手は共感するどころか、嫌悪感を抱いちゃいます。

自慢話にしないためのポイントは、「誰かのおかげ」「失敗から学んだ」という謙虚な姿勢を忘れないこと。

主語を「ボク」だけでなく、「ボクら」「チーム」にすることも効果的です。

注意点3:専門用語や難しい言葉を避ける

せっかく物語で分かりやすく伝えようとしてるのに、そこに業界用語や専門用語が頻出すると、聞き手は一気に冷めちゃいます。

常に

✅「初めてその話を聞く人でも理解できるか?」

✅「12歳の子供に話しても伝わるか?」

という視点を持ち、誰にでも分かる平易な言葉で語ることを心がけましょう。

9.ストーリーテリングの書き方に関するFAQ

Q1. 人に語れるような面白い話がありません。それでもストーリーは作れますか?

A1. はい、余裕で作れます。

この記事でも解説したように、心を動かす物語のタネは「失敗談」や「小さな成功体験」みたいな日常の出来事にこそ眠ってます。

特別な経験は一切必要ナシ。

あなたの個人的な体験から「学び」や「感情の変化」を見つけ出すことが重要です。

Q2. ビジネスシーンでストーリーテリングを使うメリットは何ですか?

A2. 大きなメリットが3つあります。

1つ目は、データだけじゃ伝わらない商品やサービスの価値を感情的に伝えられること。

2つ目は、自己開示によって聞き手との間に共感と信頼関係が生まれること。

3つ目は、記憶に残りやすくて、口コミに繋がりやすいことです。

Q3. ストーリーテリングを作る上で、一番のコツは何ですか?

A3. 最も大切なコツは、

「誰に、何を伝えて、どうなってほしいか」

という目的をハッキリさせることです。

聞き手(ターゲット)を具体的にイメージして、その人の心が動くようなエピソードを選ぶことが、成功への一番の近道です。

ターゲットを具体化させる詳しい方法は下記の記事で詳しく解説しています⇩。

【ストーリーテリング書き方まとめ】物語の力で、あなたの言葉に魂を。

今回は、あなたの日常を「心を動かす物語」に変えるための具体的な方法論を、準備編から実践編、応用編までガッツリ解説してきました。

この記事のポイント

✅人の脳は、単なるデータより「物語」を記憶するようにできている。

✅物語のタネは、特別な経験じゃなく「失敗談」や「小さな成功」みたいな日常に眠っている。

✅「ヒーローズ・ジャーニー」などのフレームワークを使えば、誰でも簡単に説得力のある物語を組み立てられる。

✅五感を刺激する描写を加えることで、物語はさらに生き生きとする。

✅自己紹介やプレゼン、SNSなど、明日から使える場面は無限にある。

もう「自分には話すことがない」と悩む必要はありません。

あなたの経験一つひとつが、誰かの心を動かし、勇気づける可能性を秘めた、かけがえのない「物語の原石」なんです。

今日学んだことを武器に、ぜひあなただけの物語を紡いでみてください。

あなたの言葉に魂が宿り、想いがまっすぐに相手に届くようになった時、あなたの仕事も、人間関係も、そして人生そのものも、きっと今よりずっと豊かに、面白くなっていくはずです。

あなたの物語が、世界に放たれる日を楽しみにしています。

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